おいしくてしあわせ

しばらく前から「ネコ男子」が気になってしまうわたしである。
そんなだから、始まったばかりのドラマ「ハングリー!」も録画しており、さっきその第二話を観た。

夢に破れたミュージシャン(演じるのはネコ男子)が、フレンチレストランのシェフとしてやり直そうとするストーリーだ。
向井理クンは、たしかバーテンダーだったかな、飲食関係のアルバイトをしていたのだったと思った。
自炊もしていて、飼ってるネコにはお酒の名前をつけていた……のだったよね?
それで、包丁を持つ手も、こなれた感じに見えるのかな。
食材に向かっているときの、純粋に真剣そのもののきれいなまなざしがすてきだ。

第二話のストーリーは、すごーくよかったなあ。涙、ちょっと出てしまったわ。
別れる前の最後の晩餐をする熟年カップルが、料理をひと口食べて「これはおいしい!」というときのセリフも、表情も、いい。(第二話、繰り返し観てしまったぞ。)
きっと今後も、お客がお料理を口に運ぶ様子を、向井クンのお料理をほめる言葉を、お料理でほぐれてゆく表情を、楽しみに楽しみに観つづけるんだろうな。
お客がお料理を味わい、幸せに満たされてゆく様子を見ていると、こちらまでハッピーな気分になり、お客といっしょになってにんまりして画面に見入っている自分に気づく。
食の番組は、いいなあ。
食をテーマにしたこんなドラマは、観るひとを幸せにしてくれる。

観ながら、『食堂かたつむり』(小川糸/ポプラ文庫)を思い出していた。
この本で語られているのは、心に深い傷を負った若い女性がひとりできりもりする小さな小さなレストラン。
ネコ男子のほうは、ミュージシャン時代の仲間たちなど完璧ではない人びとがみんなで盛り上げる、フレンドリーといった感じのレストランだ。
第二話の最後に、向井クンが話した「この店のコンセプト」がまたいい。
「いけすかなくないフレンチレストラン」。
本格的なフランス料理を希望するお客も、
お酒とつまみ的な料理でくつろぎたいグループも、
おいしいフレンチにあこがれるけれどもお金のない学生さんにも、
それぞれ満足してもらえるような居心地のよい店。

口の悪いネコ男子シェフが、いっしょにおいしいお料理で楽しませてもらおうと思っているわたしたちを、今後どんなふうに幸せにしてくれるのか。満足させてくれるのか。
食のしあわせは、人の運命を変えるほどのチカラをもつ。
いきなり現実にかえって、ひらめいた。
「そうだ、ムスメ、お料理教室にかよってみようよ!」

わたし、結婚が決まってまもなく、ベターホームのお料理教室に行っていた。
職場の友人が通っていて、彼女から教室のよさを教えてもらったのだった。
昔と同じであれば、基本コースならば包丁の研ぎ方から教えてくれるはずだ。
さっそく資料を請求してみた。

振袖を着る

8日は成人記念式典が行われる日。
約25年前にこの市にわたしが越してきてからずっと母娘ともどもお世話になっている美容院に、ムスメの着付けをお願いした。当時は数人の美容師さんをかかえていたが、今はご夫婦でやっている、小さな美容院だ。
予約の時間は朝7時。
ボーバさんの運転するクルマで送り届けると、もう街には着付けを終えた20歳の女の子たちの歩く姿があちこちにあった。

1時間後に迎えにいくと、昨年11月に貸衣装の会社でおこなった「前撮り」のときとはまったく違う印象のムスメがいた。
振袖も髪飾りも、使ったものはすべていっしょのものなのに、長年お世話になっているこの美容師さんは「前撮りとは違う仕上がりに」と意識して自慢の腕をふるってくれたのだ。

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近所に住む幼なじみのHちゃんといっしょに写真を撮ろうと訪ねたら、Hちゃん、ムスメの着付けのちょっとした工夫に気づき、あちこちほめてくれる。
Hちゃんはこの界隈でいちばん流行っている美容室での着付けだったそうだが、「人数をこなしているような」印象があったそうで、もっと丁寧にやってよ、帯もっとキツくていいんじゃない?、などなど心配や不満があったとか。

ムスメを着付けてくださった美容師さんは、高校の卒業式の袴のときもそうだったけれども、「絶対に着崩れしない」と自負している。
たしかに着崩れはなかったけれども、ムスメ、ちょいとばかり苦しい思いをしたらしい。
でも、貸衣装の会社のスタイリストさんが着付けた仕上がりにかなりの対抗意識を燃やしてくださったせいで、まったく違った印象の振袖写真が記念に残ることになった。

Hちゃん宅から自宅に戻ると、ムスメに気づいたお向かいのご主人がカメラを持って張りきって出てらして、ムスメを引っ張り出してミニ野外撮影会となる…!
こうしてなんだかんだで外に出ていたので、ご近所のかたにもたくさん晴れ姿を見ていただけて、よかった。
してみると、7時からの着付けというのは、ちっとも早過ぎない予約時刻であったのだった。
「撮影会」が終わって家の中でちょっと休んだら、もう式典に出かける時間となっていたのだから。

せっかく日立の父もお祝いにやって来てくれたのだけれども、ムスメ、夜には中学の同窓会に出席したために留守。
「久しぶりに孫にあったら、あんなこともこんなことも話してやろう、アドバイスしてあげよう」
とあれこれ心積もりのあったおじいちゃんは見事な空振りをくらってしまったのであった。

この日、ちょっとどきどきしてしまったこと。
式典が終わるころ、駅前までクルマでムスメを迎えに行ったときのこと。
市民ホールから20歳の若者たちがぞろぞろとこちらに向かって歩いてくる中に、ムスメの姿を見つけたそのとき…
意外にも、男の子たちといっしょに歩いていたのであった。

生まれてからずっとショートカットだったムスメは、この日のために1年前から髪を伸ばしていた。
本人もわたしも不器用なので、とくに結んだり編み込んだりせず、無造作にピンで留めていただけのワイルドスタイルだった。
それが、美容師さんの魔法にかかると…ちょっとした美人さんに仕上がってしまう。
(ムスメばかりじゃなく、どの20歳の女の子も、そうだけれど!)
その、「いつも」とのギャップが非常に新鮮に男の子の目には映ったのだろう。
いっしょに歩いていたのは、近所に住む男の子たちだった。たまにバス停なんかでいっしょになって、顔を合わせているコたち。

なに話していたの?と聞くと、
「今夜の同窓会にも、この格好で出席するのかって。
 モチロン、こんなカッコで出るコはいないよって答えたけどさ。
 あ〜〜クルシイ、早く脱ぎたい」
と、のたもうた。

ああ、ああ、もったいない。
男の子たち、期待していたんだろうにね。
こんなきれいな子たちと、いっしょにお酒が飲めることを。

結局、着物姿で出席した女の子は皆無だったそうだ。
ほんとにもったいない。
(恋の花のひとつやふたつ、咲いたかもしれなかっただろうに…)

と、おとなになってゆくムスメのことを、うれしく思ったり、まだまだまだまだずーーっと手放すもんかと意地になって考えてみたり……ムスメが同窓会に行って留守のあいだ、非常に複雑な気持ちで過ごしたのだった。
おじいちゃんは、カワイイ子には旅をさせよという意味のことを力説して帰っていった。
「例えば、スパリゾートハワイアンズ!
 2月から営業再開するから、友達つれて、来いや〜!
 つてがあるから無料で招待するぞ、費用全部持つからよ〜!」
福島の、フラガールのいるこのリゾート施設の近くで生まれ育った父は、復興の応援もかねて、こんなふうに話していった。

バブルを知らない新成人たちは、年金制度や就職率のことをはじめとしてこれからの社会にかなりの不安を持っているのだけれど、「自分たちが何かを変えてゆきたい」という希望的な明るい考えを持つ者たちも多いのだと、テレビのニュースで言っていた。
ムスメにも、自分を、社会を、何かしら変えてゆきたい、変えてゆけるのではないか……そんなふうに希望的な想いがあるようにと願う。やりたいようにはばたいておくれ。

休みも本日まで

本郷君が出演する深夜ドラマの原作本2冊を、まもなく読み終える。
いま、2冊め『白戸修の狼狽』の、最後のストーリーを読んでいるところだ。

本郷君扮する黒崎っていう子は、ドラマのために新たに作られた役らしい。
(「白戸」に対して「黒崎」って…単純すぎるぅ)
ボケとツッコミみたいなカンジ?
主人公・白戸修は穏やかでのんびりした青年。いわゆる「いいヒト」。
2冊を読む限りでは、同年の仲良しの男の子は登場しない。
出てきても、普通に友達っていうところであって、親友ってほどではない。
好きな女の子や憧れのコも登場しない。

白戸修みたいなタイプって、いいヤツなんだけれど、なぜか友達いないんだよね。
自分から、外世界にとくに積極的には働きかけないのだ。
で、他人からは「お人好し」ってすぐに見抜かれて、いいように使われてしまう。
だけど、わかっちゃいても「イヤ」って言えない…。
本郷君の黒崎って子は、そんな白戸修に刺激を与える役どころなのかもしれない。

推理ものって、どうしても好みでないワタシ。
1冊めの『白戸修の事件簿』も、ノリが悪くてどうしようかと思ったのだけれども、銀行強盗のお話、あれはよかったなぁ。2冊めのほうも、フィギュア欲しさに危険を冒す「ラリー」はおもしろかった。
でも、白戸修の性格のよさにほだされて、ついつい最後まで読んでしまったというところかな。

クリスマスの頃だったか、朝日新聞のbe紙に、白戸修役の千葉雄大君の大きな写真つきの記事が掲載されていた。
このドラマの宣伝ではなく、「昔のヒーローは筋肉質のおじさま、いまどきのヒーローはファッションモデル出身の華奢な男の子」みたいな内容のものだった。
彼は、ヒーロー役出身だなんて信じられないくらいのカワユイ男の子なのだった。
これでは本郷君がかすんでしまう…と一瞬危機感を抱いたくらいだ。
しかも、白戸修みたいにかわいらしい性格のようなのだった。
3月に被災して避難生活もおくったというご実家のことを想う記事。
結局、自分にできることは元気な姿をテレビに映すこと。テレビを通じて元気な姿をご実家の方々に見せること。
ご実家の方々も、テレビに映った彼を観ることが幸せなのだと…
そんなことが書かれてあった。
役から離れた千葉君自身も、ほんとうにいい子のようで、ファンになってしまいそう…
がんばれって思わず口にしてしまうよ、千葉君。本郷君もね。
あらま、なんのかんのこの深夜ドラマをかなり楽しみにしているみたいだわ、ワタシ。

映画「タンタンの冒険」



大学時代の友人に、タンタンのファンがいた。
ムスメが小さかった頃は、図書館でよく絵本を見かけたのに、なぜか借りたことは一度もなかった。コマ割りのマンガだったせいかなぁ?
テレビで放送された実写版は、二度だったか観た。でも特に引き込まれるような魅力は感じられなくて、部分的にちらちらと眺めた程度だった。

ところが、このたびはなんとおもしろかったことか。
ムスメが新聞で映画評を読み、とても興味をそそられる記事だったと何度も言うので観に行ったようなものなのだが、2012年の最初に観た作品として「当たり」だったと言えよう。

まず、音楽がいい。とてもしゃれている。
オープニングのクラリネットと低弦がカッコいい。
(あとで知ったのだが、ジョン・ウィリアムズだったのね!)
もちろん、このときのアニメーションもなめらかな流れでよくできている。ストーリーにすごく期待感をもたせるオープニングなのだった。
タンタン役の俳優は、「リトルダンサー」の主役だった男の子。彼は、そのあと「キングコング」でも少年船乗り役で見かけた。
この作品には全体にCG処理がほどこされていて、実写とアニメの中間のおもしろさを出している。
スピード感あふれる追跡シーンなんかは、ボーバさんが「酔っ払った」と言うくらいの迫力と目まぐるしさだ。
CGだからこそ実現できたダイナミックさだと言えよう。

タンタンを全く読まずにいただなんて、なんてもったいない!
ペーパーバック版も出ているようなので、ぜひ読んでみようと思っている。


映画に出かける1時間ほど前に、久しぶりにけっこう大きな地震があった。
元日に震度4が来るだなんて、「油断してはいけない」という戒めみたいだ。
この地震、鳥島近海が震源地で深さは約370キロ。
370キロだなんて、震源としては聞いたことがない深さだ。マグニチュードは7.0だという。
相当深かったから震度4でおさまったのだろうけれど、おそろしい数値だ…

メジロ、来る

きのうから年末年始の休みに入ったボーバさん。

「あのぅ、メジ夫妻が、催促に来てるんですけど…」

あぁ、ここ数か月のワタシはたいへんな無精者になっている。
トシのせいなんだろうか、ひどく疲れ気味で家事が終わるとへたってしまう。
家事と仕事とで、日々終わってしまうというお粗末なありさまで、それ以外の趣味とか自分磨きとか、いっさい目が向かずにいる。

そんなだから、他人のことなどに構っていられなかった。
もちろん、メジちゃんたちやツツピのごはんのことなどには考えも及ばないでいた。
パンクへの威嚇も怠っているため、ベニバナイチゴの実はパンクが荒らし放題、わが家の小さな庭はパンクの天下なのだった。

出勤のドタバタのさなかにボーバさんが「催促に来て…」なんぞと遠慮がちに言うものだから、反射的にカ〜ッとなったのだけれどもそこはかわゆいメジちゃんのため。
みかんをサッとふたつに割って「ほいよ」と差し出す。

9時半、職場に着いてメールの着信に気づいた。
「めじご夫妻 来た」
とボーバさん。

今年もまたパンクが邪魔しないようにドウダンツツジの細かな枝の中にみかんを差し込んだのだろう。
「よく(パンクを)見張るように」
と短く返信。

あす31日からは、わたしもようやく休みに入る。
そうしたら、ツツピのためのピーナッツリースを作ってあげよう。
いつもの冬より1か月ほど遅れて、ささやかな野鳥のパラダイスの開園、である。

イベントが終わっても

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皆既月食が終わり、なんだか「お疲れさまでした」と声かけしたくなる感じのお月さま。

帰宅するときに真正面に見えた月光環があんまりきれいだったので、自宅を通り過ぎ、見晴らしのよい畑地まで出てシャッターを押した。

凍てつく皆既月食

10日夜、ボーバさんがはりきって撮影してくれた。
いちおう三脚を使ったけれど、皆既が始まり暗さが増してからは、ぶれてしまってなかなかうまくいかない。

それでもいい。
このしんしんと冷え込む空気と、蚊を気にせずにゆったりと空を見上げられる気楽さ。
これが冬の夜空観測のいいところ。

はじめは薄雲が広がり、月光環が見えたりしてすこし心配だったのだけれど…
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21:30 欠け始める15分前のウサギさん。
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22:16 欠け始めから30分ほど経ったころ。
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22:31 欠け始めから45分ほど経ったころ。
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23:07 皆既の始まりから2分後。
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23:33 食の最大のころ。
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00:00 皆既の終わりから2分ほど過ぎて。
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00:11 このあたりでギブアップ。ああ、寒い寒い。
芯まで冷え切ってしまったボーバさん。サンキューでした。 
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